ベラルーシ共和国 経済

主要産業

機械・電子・繊維・食品

もとは農業国だったが、現在では工業が中心となっている。農業人口は労働人口の21%(1994年)を占め、畜産と酪農が盛んである。
ジャガイモ(生産量は850万t(2000年))、亜麻、コムギ(90万t(2000年))、テンサイ(150万t(2000年))、オオムギ(230万t(2000年))、カラスムギ、ライムギ(170万t(2000年))などの栽培もおこなわれる。
湿地の多くは干拓されて農地になっており、土壌は肥沃(ひよく)で生産性も高い。

工業は第2次世界大戦でほとんど壊滅状態になったが、戦後、急速に復興し、現在では工業など第2次産業従事者が労働人口の35%(1994年)を占めている。自動車、化学、木材、機械工業を中心とし、農業生産物を利用したリネン、羊毛、木綿などの繊維工業も発達している。泥炭の埋蔵量も豊富で、工場や発電所の燃料にもちいられる。

2005年のベラルーシGDPは9.2%の成長率だった。工業生産は10%、酪農生産は15%増えたが、穀類生産は、嵐にともなう被害のため減少した。インフレは8%で、この15年で最も低かった。

国民総所得(GNI):175億ドル(2003年:世銀)
一人当たりGNI  :1,590ドル(2003年:世銀)
経済成長率    :6.8%(2003年:世銀)
物価上昇率    :31.8%(2001年:世銀)
失業率       :3.1%(2001年:CIS統計委員会)

2005年ベラルーシ統計・分析省により労働人口による割合によって算出された、元社会主義国における失業率
ベラルーシでは、2006年1月1日現在の失業率は労働力人口の1.5%であり、昨年のそれと比べて、0.4%の減少を示している。

輸 出

輸 入

総貿易額(2003年:CIS統計委員会) 99.64億ドル 115.05億ドル
主要貿易品目 機械、設備装置、輸送機械、肥料 金属加工品、コンピューター機器、医療機器
主要貿易相手国 ロシア、ドイツ、ウクライナ ロシア、ドイツ、ウクライナ

経済概況

独立前は旧ソ連の計画経済体制下で、他のソ連の共和国に比べ比較的良好な経済を有していたが、独立後は市場経済化の立ち遅れ等から経済は悪化を続けていた。民営化も、他NIS諸国と比較して遅れが見られるが、ロシアとNIS諸国との経済関係緊密化により苦しい経済状況の克服をはかっている。なお、2000年1月1日には1000分の1のデノミが行われた。

2004年度ベラルーシ経済への外国よりの投資に関する統計:
2004年度に外国よりの投資の総金額が15億米ドルに達し、2003年度と比べて、16%増加した。
固定資本への投資金額が1億4千200万米ドルに達し、2003年度のそれと比べて、30.6%の減少を示した。

2004年度にベラルーシの経済に投下された金額の20%(3億650万米ドル)がロシアよりのものであり、2002年度と比べて、ロシアよりの投資額が10%の増加を示した。
2005年度に、ベラルーシの政府が外国から9億ないし10億米ドルの投資を得ようとしている。

ベラルーシ共和国とロシア連邦の総理大臣の、天然ガス供給に関する交渉の際、来年に、ロシアがベラルーシに$46.68/立方メートルといった価格で210億立方メートルを供給することについての合意ができた。
現在、ベラルーシからは、主としてドイツ、ポーランド、英国、ベルギー、オーストリア、フランス、オランダに、粉ミルク、カゼイン、アマの繊維、皮革原料が供給されている。

1990年代初頭にベラルーシの経済生産は減少した。これは、旧ソ連地域との通商関係が断絶し、ロシア産の石油をはじめとする資源のコストが上昇したためであり、92年には生産が11%減少している。
ただし、この数字は多くの旧ソ連地域の半分以下である。しかし、93年にはさらに悪化し、インフレ率は25%をこえ、GDP(国内総生産)は14%下落した。
これにともない、ロシアとの経済同盟締結を主張する保守派が台頭し、94年4月にはロシアと通貨統合について合意した。
これは、両国間の貿易での関税を撤廃し、ベラルーシ独自の通貨ベラルーシ・ルーブルを放棄してロシアのルーブルを採用するものであった。
しかし、協定締結後、ロシアはベラルーシ経済がロシア経済を極度に弱体化させる恐れがあると主張し、この計画は頓挫(とんざ)した。10月、ベラルーシ・ルーブルが唯一の法定通貨になった。
1999年のGDPは268億米ドル、1人当たり2670米ドル。

現在、エネルギー供給の国外への依存度を少なくするために、原子力発電所の開発が検討されている。
ミンスク州に位置するOsipovichi町では、ベラルーシに於ける最初のTETS(火力発電所)が操業を開始された。泥炭・のこ屑・薪炭材などの地方燃料種類を使っているTETSは、熱エネルギーの生産にのみでなく、電力の生産にも使用されているという特徴をもっている。専門家の設計に従って、新しくできた火力発電所はOsipovichi郡に必要な熱エネルギーの100%と、電力の50%を確保する。

2007年の初め頃に、ミンスクではミンスク貯水池の洪水吐きのスパンを使った、貯水池の水準によるが、出力が250乃至300キロバット/時になる水力発電所が完成される。2台の発電機のある水力発電所が1,500フラットの月間電力需要を確保可能と言われている。建設費は5・6年後に償われてしまう。
類似の設計の水力発電所は、すでにミンスク州のVileika 貯水池、Zaslavl貯水池、Dubrovsk貯水池で建設され、操業を開始されている。
全部で、ベラルーシでは出力が100乃至1,500キロバット/時の25の水力発電所が運転している。

2006年1月1日、ベラルーシ共和国はロシア連邦からのみでなく、ウクライナ共和国からも、電力の輸入を行ない始める。実は、ベラルーシは、リトヴァニア共和国のIgnalina原子力発電所の2004年の運転停止以後、「ロシア統一エネルギーシステム」株式会社からしか電力を輸入していないのであった。ベラルーシ共和国の1カ国からのエネルギー依存性を低下させるために、近日中、「BELENERGO」コンツエルン(ベラルーシ)は「UKRENERGO」コンツエルン(ウクライナ)と、25億キロバット/時供給に関する契約を締結した。
「PRIME-TIME」通信社によると、ロシアから供給される電力の価格は2.35セント/キロバット/時であり、ウクライナから供給される電力の価格は2.1セント/キロバット/時である。
「BELENERGO」コンツエルンの専門家たちの推測では、2005年度の最終的電力消費量は2004年度と比べて1.2%向上し、345億キロバット/時に達する。ベラルーシで消費される電力の大部分は国産のものである。

現在、ベラルーシの統一エネルギーシステムには、国間送電線が9本あり、近いうちに、11本まで増やす計画がある。
2006年度に、ベラルーシは電力輸出高を53億キロバット/時まで上げる計画を立てている。2005年度のそれと比べて、8.2%の向上になる。内訳のポーランドへの電力輸出高は10億キロバット/時まで向上すると予想されている。2005年度のそれと比べて、7.5%の向上を示すであろう。

1995年初頭、懸案だったリトアニアとの国境問題が解決した。しかし、ベラルーシの経済はあいかわらず停滞している。ロシアとの統合路線を推進するルカシェンコのもとで、97年5月にはロシアとの「連邦規約」が締結された。
当初の条約草案を「規約」に格下げして妥協がはかられたものだった。しかし、その後、ルカシェンコ批判をしていたロシア公共テレビの記者をベラルーシ当局がスパイ容疑で逮捕したため、ロシアはルカシェンコのロシア入国を拒否するなど、両国関係は冷却化した。
国内の人権抑圧に対して西側諸国から批判をうけており、97年3月にアメリカは経済援助を停止した。

1999年12月、ロシアとの間で、2005年までに通貨統合を実施するという計画をふくむ新連邦国家創設条約を調印した。しかしウクライナが不参加を表明するなど、CIS内部でも賛同をえていない。

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